視察・訪問

視察報告 いたばし地域クラブ(2025年10月)

10月29日、いたばし地域クラブの一つ、「志村第三野球クラブ」へ超党派で視察に伺いました。

いたばし地域クラブとは

いたばし地域クラブとは、学校の部活動に替わる「放課後や土日の新しい活動スタイル」として板橋区教育委員会が立ち上げた地域クラブ。

地域クラブ立ち上げの背景には、少子化や教師の働き方改革といった課題があります。

これまで部活動は学校単位で行われてきましたが、「地域クラブ」として教育委員会が担うことで、複数の学校から生徒が参加できるようになり、子どもたちの活動機会が確保できます。また、これまで超過労働を強いられていた教員の大きな負担軽減にもなります。

「志村第三野球クラブ」の様子

「志村第三野球クラブ」は、志村第三・第四・第五中学校の生徒を中心に構成されている地域クラブです。

現在は生徒30名(志村第三17名、志村第四4名、志村第五7名)が所属しており、女子生徒1名も選手として活動しています。

視察へ行った超党派のメンバー

教員は関与しておらず、民間の指導者の方2名によって運営されています。指導者の方はいずれも区外在住で、公募により採用された方々とのこと。

活動は、平日2時間以内・週5日以内・合計11時間以内を原則とし、通常は午後4時から6時に実施しています。外部指導者による運営のため、朝練は行っておらず、出欠管理は区内共通のアプリに保護者が欠席連絡を入力する形で運用しているとのことでした。

備品は旧野球部のものを引き継いで使用し、必要に応じて教育委員会が追加で購入しているそうです。クラブ費は、月額2,000円(激変緩和措置として、9月までは無料、3月までは1,000円)。

年2回、全クラブの指導者が集まる会を開催し、情報共有を行っています。民間指導者のみで運営しているクラブは区内に3校。中体連や都大会への出場も可能で、板橋区独自の大会についても検討中とのことです。

岩永きりん

板橋区の「部活動の地域移行」は全国的にも先進的です。コーチ・監督の方はかなりお忙しい様子で課題も感じました。責任者は社会人である必要がありますが、学生などにもうまく参加してもらい負担を分散できないかと感じました。

今後の「部活動地域移行」について

板橋区は、今後、区内の中学校で毎年一競技ずつ、学校部活動を「いたばし地域クラブ」へ移行していく方針を示しています。子どもたちがスポーツや文化芸術に継続して親しめる機会を確保し、同時に、長年問題となってきた教員の過重負担を軽減する「部活動地域移行」は重要な取り組みだと考えています。

しかし一方で、指導者の確保や指導者が働きやすい環境の整備、保護者の金銭的な負担など課題もあります。拙速な移行によって、かえって子どもたちの活動の場が減ったり、競技を続けることが難しくなったりすることがあってはなりません。

なお、板橋区教育委員会の長沼豊教育長は、ご自身の研究チームで「部活動の地域移行(展開)」についても取り扱っておられ、その知見が政策に生かされることを期待しています。現場の声や地域の実情を丁寧に踏まえたうえで、子どもたちにとっても、関わる人にとっても良い「いたばし地域クラブ」となるよう、引き続き注視していきたいと思います。

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